はひふへほ

ゲーム,雑記,美味い飯.時々アイマス.

モノを手元に残すのは愛の証明なんですか?

いろいろあって部屋の掃除をしています.親に何度も部屋の掃除をしろとそそのかされて約数ヶ月,怒鳴られて動き出す私も私ですが,多少片付いている部屋を見ると確かにやらかしていた感が襲ってきまして,よくあんな部屋に住んでいたなと思います.

部屋の掃除していると,まぁ懐かしいものがたくさん出てくるんですよね.海外行った時に貰ったパンフとか,卒業式の時に貰った学年だよりとか,他にも思い出深いけど捨ててもいいかな,みたいなものがたくさん出てきました.うひょー,私若いなぁとか,この頃はまだ未来に希望を持っていたなとか,相変わらずスクールカーストは底辺だったなとか,気分が下がったり上がったりする掃除をひたすら続けていたら,某有名ゲームシリーズの限定版やら何やらが段ボール箱からまとまって出てきました.

そういえば昔,自分で「火事になったらとりあえずこの箱を抱えて外に出る」と決めていたのを思い出しました.あの当時は本当にそのゲームに狂っていました.中高生のころ合わせて,低く見積もっても10万は使っていたと思います.当時の収入を鑑みてもこの額って結構狂っていて,でも当時の自分はその狂い具合にどこか酔っているところがあって,とにかく出し惜しみせずにいろんなものを買って読んで楽しんでいたのを覚えています.ですので,箱の中には今見ても中々に興奮できる一品がたくさん入っていたんですが,当時と同様に「有事の際に抱えて出る」ほどの思い入れが今もあるかと言われると中々そうでもなくて.

で,ここからが本題に繋がるんですが.今回の掃除のテーマというか目的というか目標というか,標語というのが正しいのかもしれませんが,とにかく今見て要らないと思ったものを売ることに決めています.なので,今部屋には宅配買取で売り飛ばす雑誌,小説,漫画,同人誌,CD等が入ったダンボールがたくさんあるんですが,その中にこの有事の時に抱えて逃げる箱を加えるかどうかたいへん迷っていてました.

それで,部屋で云々うなりながら数十分ため息つきながら考えたんですよ.ただ,ふと振り返ると,なんでこんなに自分が悩んでいるのか不思議に思ったんですよね.いくら好きなものとは言え,今は好きというより好き“だった”ものですし,今後生きていてもう一度これらに触れたとしても,当時と同様のあの狂った感情を思い出せるとも思えないんですから.

それでふと思ったのは,これを売ったら私は当時好きだったという感情を,当時ためらいなく金銭をつぎ込んでいたその情熱を否定することになるのではないかと.だから,好きだったものを売るってのは,遠回しに当時の自分の行いを否定することになるし,自分が愛していたものを否定することにもなるんですよね.

この時何となく思い出したのは,テレビで元カノのラブレターを捨てられない旦那さんが奥さんからめちゃくちゃ怒られているシーン.遠回しに私もラブレターが捨てられない状態なんだと思いました.モノそのものを捨てることで,自分がしていた行動を否定するのが辛いってのは,形は変われどみんなあるのかなと.

 

で,結局,結構悩んだんですけど,売ることにしました.

 

別に愛を証明するために,自分がそれを好きだったことを証明するためにモノを手元に残しておく必要あるのかって言われたら,まぁそんなことはないはずなんですよね.本当にそれが好きだったことの照明って,例えばあの時にあそこで何があって,そこでどんなことを自分がやらかして,ディスプレイ見ながらゲラゲラ笑ったとか,そういう経験を即座に思い出せるとか,あるいはゲームそのものの知識を正確に覚えているとか,テーマ曲を口ずさめるとか,多分そういうのだと思うんですよ.だから,モノで手元に残しておくことよりも,記憶を保っておくことのほうがよほど愛の証明には大切何じゃないかと思って.

と言いつつも,やっぱりちょっと悲しいんですけどね.でも,別に売ったとしても,当時好きだったことはそれはそれとして良かったし,自分を構成する一部になっているのは間違いない.自分が好きだったのは間違いないんですって,自分に言い聞かせて売ることにします.検索したら驚くほどお金にもならないみたいでちょっとしょんぼりしたんですが,価値がどうとか言うのもお門違いですからね.思い出はどう頑張ったって金銭に変換できませんから.ひとまずは手元にあるかないかの0と1で考えたいと思います.

 

なんとなく,捕まえたポケモンを逃がす気持ちです.自分の手元で生きたものを世間にかえす気持ちって言うんでしょうか.気持ち止まりなので,自分でもよく分かりませんが,とりあえず,さようなら,元気でやれよ.

 

 

追記:一応怖いから書いておきますけど,このお話は私が「好き」じゃなくて「好きだった」になっているものについて書いている文章ですので,間違ってもこの記事を誰かに見せて「お前もこいつと同じように売ればいい」とか絶対に言わないで下さい.全然話が違います.人の好きを踏みにじるのは私が一番毛嫌いしている行為です.もしも同じに見えているなら3万回この記事を読み直して下さい.

また,単に部屋がものに溢れて汚いのを是正したいならば,捨てろ,売れと言わずに「片付けろ」と言うようにして下さい.整理する家庭で自ずと要らないものが見つかるはずです.